自賠責保険 vs 世界の強制保険制度!日本のシステムは本当に優れているのか?

はじめに

日本の自賠責保険は、すべての車両に加入が義務付けられているため、事故の際に最低限の補償を受けることができます。しかし、世界の国々ではどのような強制保険制度が採用されているのでしょうか? 本記事では、日本の自賠責保険と海外の強制保険制度を比較し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを検証します。

各国の強制保険制度

アメリカ:州ごとに異なる制度

アメリカには日本のような全国共通の強制保険制度はなく、各州ごとにルールが異なります。たとえば、フロリダ州では強制保険が義務付けられていないため、無保険で運転している人も少なくありません。一方で、カリフォルニア州やニューヨーク州では自賠責保険に近い保険が義務付けられており、未加入だと罰則があるなど、地域による違いが大きいのが特徴です。

イギリス:保険未加入のペナルティが厳しい

イギリスでは、自賠責保険(Third Party Insurance)が義務付けられています。この制度では、事故の相手側への補償が保証される一方で、自分自身の怪我や車両の修理は対象外です。保険未加入の場合、最大5,000ポンド(約90万円)の罰金や車両の押収が科されるため、日本よりも厳しい罰則が設けられています。

ドイツ:手厚い補償だが高額な保険料

ドイツでは「Kfz-Haftpflichtversicherung」と呼ばれる強制保険があり、自賠責に加えて自分の損害をカバーする保険の加入が一般的です。日本と違い、過去の事故歴や運転技術に応じて保険料が大きく変動するため、長年無事故のドライバーは割安に、逆に事故を多く起こしているドライバーは高額な保険料を支払うことになります。

日本の自賠責保険の強みと課題

日本の自賠責保険の最大のメリットは、全国一律で加入が義務付けられているため、無保険の車が少ないことです。また、最低限の補償があることで、被害者の治療費が一定の範囲でカバーされます。一方で、補償額の上限(死亡時3,000万円、後遺障害4,000万円、傷害120万円)があるため、大きな事故ではカバーしきれないケースもあります。

結論:日本の制度は本当に優れているのか?

海外と比較すると、日本の自賠責保険は全国一律の制度で無保険車を減らせる点では優秀ですが、補償額が低いため、任意保険との併用が前提となる仕組みになっています。一方、イギリスやドイツのように未加入に対する厳しい罰則を設けたり、アメリカのように州ごとの柔軟性を持たせる制度も一考の余地があるかもしれません。