自賠責保険の歴史:なぜ義務化されたのか?

自賠責保険は1955年に導入されました。しかし、なぜ日本ではこの保険が義務化されたのでしょうか?今回は、その歴史を振り返り、背景や意義について考察します。


1. 戦後の交通事故急増と制度の誕生

第二次世界大戦後、日本の自動車保有台数は急増しました。1950年代には、交通事故による死傷者が深刻な社会問題となり、特に被害者救済が大きな課題でした。

当時、交通事故を起こした加害者が賠償できず、被害者が十分な補償を受けられないケースが多発。これを受け、政府は**「最低限の補償を確保する制度」**として、自賠責保険を義務化しました。

1955年:自動車損害賠償保障法の施行

  • すべての車両に自賠責保険加入を義務化
  • 被害者救済を目的とした「強制保険」として制定

2. 自賠責保険の制度変遷

導入後、自賠責保険は何度か改正され、補償内容が拡充されてきました。

  • 1973年:死亡補償額が1,000万円→1,500万円に引き上げ
  • 1995年:後遺障害の補償額上限が引き上げられる
  • 2002年:インターネット契約が可能に
  • 2013年:補償額が現在の水準(死亡3,000万円・後遺障害4,000万円)へ

3. 世界の類似制度との比較

国名強制保険の有無特徴
日本あり(自賠責保険)最低限の対人補償のみ
アメリカ州によって異なる任意保険の加入が基本
イギリスあり対人・対物補償が義務
ドイツあり事故の過失割合に応じた補償

日本の自賠責保険は、対人補償に特化しているのが特徴。他国では、対物補償まで含めた義務保険が一般的です。


4. 今後の自賠責保険の可能性

  • デジタル化の進展:スマホアプリで簡単に加入・更新できる仕組み
  • 補償範囲の拡大:対物補償の義務化検討
  • EV・自動運転対応:自動運転事故時の責任区分整理

まとめ
自賠責保険は、事故被害者を救済するために生まれた制度です。今後も進化し続ける可能性があり、最新の情報を把握することが重要です。